103万円の壁が160万円に|基礎控除95万+給与控除65万の内訳
OTOKURU MONEY GUIDE 2026.09 ¥103万円の壁は160万円へ

この記事に広告リンクはありません
本記事の信頼性とお約束
給与収入だけの人が所得税を負担しないラインは、103万円から160万円に上がりました。基礎控除の95万円と、給与所得控除の最低保障額65万円を足した金額です。
令和7年度税制改正で、基礎控除・給与所得控除・扶養親族等の所得要件がまとめて動きました。施行は令和7年12月1日で、令和7年分以後の所得税に適用されます。令和7年11月までの源泉徴収事務には変更がありません。
この記事では、160万円という数字の内訳、合計所得金額の区分ごとに違う基礎控除の額、扶養に入れる所得の上限、新しくできた特定親族特別控除の4点を国税庁の公表値で確認します。
数字はすべて国税庁の特設ページに載っている値で、出典URLを本文に置きました。壁という言葉が指すものは所得税・住民税・社会保険で別々なので、この記事の範囲は所得税に限ります。
目次(クリックで該当セクションへ)
160万円という数字は、どこから出てくるのか?
2つの控除の足し算です。基礎控除が48万円から95万円へ、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円へ引き上げられました。95万円と65万円を足すと160万円になります。
給与収入が160万円なら、給与所得控除65万円を引いて所得は95万円。そこから基礎控除95万円を引くと課税所得はゼロです。これが「160万円の壁」と呼ばれている計算の中身になります。
改正前の103万円も同じ構造でした。基礎控除48万円と給与所得控除の最低保障額55万円を足した数字です。壁の位置が57万円ぶん動いた、と読み替えられます。
基礎控除は全員95万円ではない
95万円が使えるのは合計所得金額132万円以下の人です。それを超えると段階的に下がります。しかも合計所得金額132万円を超える区分の上乗せは令和7年分と8年分の2年間だけの措置で、令和9年分以後は58万円に戻ります。
| 合計所得金額 | 令和7年分・8年分の基礎控除額 | 令和9年分以後 | 改正前 |
|---|---|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 | 95万円 | 48万円 |
| 132万円超336万円以下 | 88万円 | 58万円 | 48万円 |
| 336万円超489万円以下 | 68万円 | 58万円 | 48万円 |
| 489万円超655万円以下 | 63万円 | 58万円 | 48万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 58万円 | 58万円 | 48万円 |
構造としては、改正後の所得税法第86条による基礎控除58万円に、租税特別措置法第41条の16の2による加算額を上乗せする形です。合計所得金額655万円以下の区分では、58万円にそれぞれ37万円・30万円・10万円・5万円が加算されます。
期間限定の区分がある以上、令和9年分の手取りは今年と同じ計算にはなりません。合計所得金額が132万円を超え655万円以下の人(給与収入だけなら年収およそ200万円超〜850万円)は、令和9年分で基礎控除が5万円から30万円ぶん減ることを頭に入れておく必要があります。
扶養に入れる所得のラインはどう変わった?
基礎控除の改正に合わせて、扶養控除等の対象となる所得要件も引き上げられました。金額の変化は次のとおりです。
| 区分 | 改正後の所得要件 | 改正前 |
|---|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者の合計所得金額 | 58万円以下 | 48万円以下 |
| ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等 | 58万円以下 | 48万円以下 |
| 勤労学生の合計所得金額 | 85万円以下 | 75万円以下 |
| 家内労働者等の必要経費の最低保障額 | 65万円 | 55万円 |
合計所得金額58万円は、給与収入だけなら給与所得控除65万円を足して123万円にあたります。勤労学生の85万円は、同じ考え方で給与収入150万円です。数字を給与収入に直すと、家族と話すときに使いやすくなります。
19歳から22歳の子には特定親族特別控除が新設された
居住者が特定親族を持つ場合、その特定親族1人につき最高63万円を総所得金額等から控除できる制度が創設されました。控除額は特定親族の合計所得金額に応じて決まります。
特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人を指します。配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人、白色事業専従者は対象外。一方で、児童福祉法の規定により養育を委託された、いわゆる里子は含まれます。
年末調整でこの控除を受けるには、給与の支払者に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出します。令和7年分については、基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書と兼用の様式に変更されました。前年分以前の様式とは別物です。
いつから適用され、何をすればいい?
施行日と適用時期を並べると、やることの順番が決まります。
- 令和7年11月まで:給与および公的年金等の源泉徴収事務に変更なし
- 令和7年12月1日:改正法の施行。令和7年12月に行う年末調整から新しい控除額で計算
- 令和8年1月以後:各月の源泉徴収に特定親族特別控除が反映される。新しい源泉徴収税額表を使用
給与を受ける人が年末調整までに確認するのは3点です。新たに扶養控除等の対象になる家族がいないか、19歳以上23歳未満で合計所得58万円超123万円以下の子がいないか、そして提出する様式が令和7年分のものかどうか。
源泉徴収の一般的な質問は、国税庁の電話相談センターが窓口になっています。番号は0570-00-5901、受付時間は8時30分から17時(土日祝および12月29日から1月3日を除く)です。
よくある質問(FAQ)
103万円の壁はなくなったのですか?
基礎控除は誰でも95万円になるのですか?
88万円・68万円・63万円はずっと続きますか?
親の扶養に入ったまま働けるのはいくらまでですか?
大学生の子が123万円を超えたらどうなりますか?
年末調整で改正が反映されていなかったら?
- 所得税がかからない給与収入のラインは160万円。基礎控除95万円+給与所得控除の最低保障額65万円の合計
- 基礎控除は一律ではない。132万円以下95万円/132万円超336万円以下88万円/336万円超489万円以下68万円/489万円超655万円以下63万円/655万円超2,350万円以下58万円
- 88万円・68万円・63万円は令和7年分の措置で、令和9年分以後は58万円に戻る
- 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は48万円以下から58万円以下へ。給与収入なら123万円が目安
- 勤労学生は75万円以下から85万円以下、家内労働者等の必要経費の最低保障額は55万円から65万円へ
- 19歳以上23歳未満・合計所得58万円超123万円以下の親族に特定親族特別控除(最高63万円)が新設
- 施行は令和7年12月1日。令和7年12月の年末調整から反映され、令和7年11月までの源泉徴収事務に変更はない
