103万円の壁が160万円に|基礎控除95万+給与控除65万の内訳

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103万円の壁が160万円に|基礎控除95万+給与控除65万の内訳

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本記事の信頼性とお約束
控除額・所得要件・施行日の出所は国税庁の特設ページ「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」です。金額を載せた箇所には、その数値が載っている公表ページへのリンクを本文中に置いています。本記事が扱うのは所得税であり、住民税や社会保険の扶養の基準はこの改正とは別の制度です。個別の判定は勤務先または所轄の税務署にご確認ください。誤りを見つけた場合はご一報ください。確認のうえ、原則48時間以内に修正します。

給与収入だけの人が所得税を負担しないラインは、103万円から160万円に上がりました。基礎控除の95万円と、給与所得控除の最低保障額65万円を足した金額です。

令和7年度税制改正で、基礎控除・給与所得控除・扶養親族等の所得要件がまとめて動きました。施行は令和7年12月1日で、令和7年分以後の所得税に適用されます。令和7年11月までの源泉徴収事務には変更がありません。

この記事では、160万円という数字の内訳、合計所得金額の区分ごとに違う基礎控除の額、扶養に入れる所得の上限、新しくできた特定親族特別控除の4点を国税庁の公表値で確認します。

数字はすべて国税庁の特設ページに載っている値で、出典URLを本文に置きました。壁という言葉が指すものは所得税・住民税・社会保険で別々なので、この記事の範囲は所得税に限ります。

目次(クリックで該当セクションへ)
  1. 160万円という数字は、どこから出てくるのか?
  2. 基礎控除は全員95万円ではない
  3. 扶養に入れる所得のラインはどう変わった?
  4. 19歳から22歳の子には特定親族特別控除が新設された
  5. いつから適用され、何をすればいい?
  6. よくある質問(FAQ)
  7. 忙しい人向け 記事のまとめ

160万円という数字は、どこから出てくるのか?

2つの控除の足し算です。基礎控除が48万円から95万円へ、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円へ引き上げられました。95万円と65万円を足すと160万円になります。

給与収入が160万円なら、給与所得控除65万円を引いて所得は95万円。そこから基礎控除95万円を引くと課税所得はゼロです。これが「160万円の壁」と呼ばれている計算の中身になります。

出典 基礎控除は、合計所得金額132万円以下で95万円(改正前48万円)。給与所得控除は、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられました。この改正は原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます。 出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)

改正前の103万円も同じ構造でした。基礎控除48万円と給与所得控除の最低保障額55万円を足した数字です。壁の位置が57万円ぶん動いた、と読み替えられます。

160万円は給与収入だけの人の数字 給与所得控除は給与収入にしか使えません。業務委託や副業の報酬が事業所得・雑所得になる場合、差し引けるのは実際にかかった必要経費です。給与と副業が混ざっている人は、160万円をそのまま自分のラインとして使えません。
博士、103万円の壁ってなくなったんですか? ニュースで160万円って聞いて、もう気にしなくていいのかと。
動いたのは所得税がかかり始める位置だけじゃ。住民税も社会保険も別の物差しで動いておる。「壁がなくなった」ではなく「所得税の壁が160万円に移った」が正しい言い方じゃな。

基礎控除は全員95万円ではない

95万円が使えるのは合計所得金額132万円以下の人です。それを超えると段階的に下がります。しかも合計所得金額132万円を超える区分の上乗せは令和7年分と8年分の2年間だけの措置で、令和9年分以後は58万円に戻ります。

合計所得金額令和7年分・8年分の基礎控除額令和9年分以後改正前
132万円以下95万円95万円48万円
132万円超336万円以下88万円58万円48万円
336万円超489万円以下68万円58万円48万円
489万円超655万円以下63万円58万円48万円
655万円超2,350万円以下58万円58万円48万円

構造としては、改正後の所得税法第86条による基礎控除58万円に、租税特別措置法第41条の16の2による加算額を上乗せする形です。合計所得金額655万円以下の区分では、58万円にそれぞれ37万円・30万円・10万円・5万円が加算されます。

加算は居住者だけ・2,350万円超は据え置き 国税庁は、この加算が居住者についてのみ適用があると注記しています。また合計所得金額2,350万円を超える場合の基礎控除額に改正はありません。恒久的に上がったのは95万円の区分と、48万円から58万円になった部分です。

期間限定の区分がある以上、令和9年分の手取りは今年と同じ計算にはなりません。合計所得金額が132万円を超え655万円以下の人(給与収入だけなら年収およそ200万円超〜850万円)は、令和9年分で基礎控除が5万円から30万円ぶん減ることを頭に入れておく必要があります。

扶養に入れる所得のラインはどう変わった?

基礎控除の改正に合わせて、扶養控除等の対象となる所得要件も引き上げられました。金額の変化は次のとおりです。

区分改正後の所得要件改正前
扶養親族・同一生計配偶者の合計所得金額58万円以下48万円以下
ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等58万円以下48万円以下
勤労学生の合計所得金額85万円以下75万円以下
家内労働者等の必要経費の最低保障額65万円55万円

合計所得金額58万円は、給与収入だけなら給与所得控除65万円を足して123万円にあたります。勤労学生の85万円は、同じ考え方で給与収入150万円です。数字を給与収入に直すと、家族と話すときに使いやすくなります。

この改正で新たに扶養に入る人がいる 国税庁は令和7年分の年末調整の留意事項として、改正により新たに扶養控除等の対象となった親族等がいないか確認し、いる場合は「扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けるよう求めています。去年の年末調整で外れていた家族が、今年は対象になっている可能性があります。
去年103万円ぎりぎりで働くのをやめた大学生の弟は、今年はどこまで働けるんでしょう?
本人に所得税がかからんのは給与160万円まで。親の扶養に入ったままにしたいなら、合計所得58万円=給与123万円が目安じゃ。それを超えても、次に見るのが特定親族特別控除じゃな。

19歳から22歳の子には特定親族特別控除が新設された

居住者が特定親族を持つ場合、その特定親族1人につき最高63万円を総所得金額等から控除できる制度が創設されました。控除額は特定親族の合計所得金額に応じて決まります。

特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人を指します。配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人、白色事業専従者は対象外。一方で、児童福祉法の規定により養育を委託された、いわゆる里子は含まれます。

出典 令和8年1月以後に支払うべき給与および公的年金等については、それぞれ各月(日)の源泉徴収の際に特定親族特別控除が適用されます。適用の条件は、給与の場合が親族の合計所得金額58万円超100万円以下、公的年金等の場合が58万円超85万円以下です。 出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)

年末調整でこの控除を受けるには、給与の支払者に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出します。令和7年分については、基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書と兼用の様式に変更されました。前年分以前の様式とは別物です。

いつから適用され、何をすればいい?

施行日と適用時期を並べると、やることの順番が決まります。

  1. 令和7年11月まで:給与および公的年金等の源泉徴収事務に変更なし
  2. 令和7年12月1日:改正法の施行。令和7年12月に行う年末調整から新しい控除額で計算
  3. 令和8年1月以後:各月の源泉徴収に特定親族特別控除が反映される。新しい源泉徴収税額表を使用

給与を受ける人が年末調整までに確認するのは3点です。新たに扶養控除等の対象になる家族がいないか、19歳以上23歳未満で合計所得58万円超123万円以下の子がいないか、そして提出する様式が令和7年分のものかどうか。

年末調整で反映されなかった場合は確定申告で戻る 国税庁は、基礎控除の見直し等が適用されていないなどの場合、確定申告をすることで源泉徴収された所得税が還付されることがあると案内しています。年末調整で漏れても取り戻す経路があります。

源泉徴収の一般的な質問は、国税庁の電話相談センターが窓口になっています。番号は0570-00-5901、受付時間は8時30分から17時(土日祝および12月29日から1月3日を除く)です。

よくある質問(FAQ)

103万円の壁はなくなったのですか?
所得税がかかり始める位置が160万円に移りました。基礎控除95万円と給与所得控除の最低保障額65万円の合計です。ただし住民税や社会保険の扶養の基準はこの改正とは別の制度なので、すべての壁が160万円になったわけではありません。根拠:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」。
基礎控除は誰でも95万円になるのですか?
いいえ。95万円は合計所得金額132万円以下の場合です。132万円超336万円以下で88万円、336万円超489万円以下で68万円、489万円超655万円以下で63万円、655万円超2,350万円以下で58万円と段階的に下がります。合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除額に改正はありません。
88万円・68万円・63万円はずっと続きますか?
続きません。この3区分は令和7年分の措置で、令和9年分以後は58万円になります。恒久的に引き上げられたのは、合計所得金額132万円以下の95万円と、48万円から58万円になった部分です。
親の扶養に入ったまま働けるのはいくらまでですか?
扶養親族の所得要件は合計所得金額58万円以下です。給与収入だけなら、給与所得控除の最低保障額65万円を足して123万円が目安になります。改正前は48万円以下(給与収入103万円)でした。
大学生の子が123万円を超えたらどうなりますか?
年齢が19歳以上23歳未満なら、合計所得金額58万円超123万円以下の範囲で特定親族特別控除の対象になります。控除額は最高63万円で、年末調整では「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。123万円を超えた場合はこの控除の対象からも外れます。
年末調整で改正が反映されていなかったら?
確定申告で還付を受けられる場合があります。国税庁は、税制改正が適用されていないなどの場合に確定申告をすることで源泉徴収された所得税が還付されることがあると案内しています。判断に迷う場合は電話相談センター(0570-00-5901)で確認できます。
SUMMARY 忙しい人向け 記事のまとめ
  • 所得税がかからない給与収入のラインは160万円。基礎控除95万円+給与所得控除の最低保障額65万円の合計
  • 基礎控除は一律ではない。132万円以下95万円/132万円超336万円以下88万円/336万円超489万円以下68万円/489万円超655万円以下63万円/655万円超2,350万円以下58万円
  • 88万円・68万円・63万円は令和7年分の措置で、令和9年分以後は58万円に戻る
  • 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は48万円以下から58万円以下へ。給与収入なら123万円が目安
  • 勤労学生は75万円以下から85万円以下、家内労働者等の必要経費の最低保障額は55万円から65万円へ
  • 19歳以上23歳未満・合計所得58万円超123万円以下の親族に特定親族特別控除(最高63万円)が新設
  • 施行は令和7年12月1日。令和7年12月の年末調整から反映され、令和7年11月までの源泉徴収事務に変更はない
持ち帰りは「自分の合計所得金額がどの区分に入るかを先に確かめる」ですね。
それでよい。付け足すなら令和9年分で戻る区分かどうかも同時に見ることじゃ。今年の手取りと再来年の手取りは、同じ年収でも違ってくるからのう。

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この記事の書き手

博士

博士(フクロウ博士) 著者

古風な口調で、初心者がつまずきやすい仕組みを噛み砕いて解説する。担当領域:FX・株式・税金・社会保険・ポイ活税務。

クルミ

クルミ 構成協力

オトクル編集部の20代ライター。投資・ポイ活未経験から、記事執筆を通じて知識を積み上げてきた読者代表。読者と同じ目線でつまずきポイントを言語化することを得意とする。担当領域:副業・ポイ活・クレカ・暮らしのお金。