ふるさと納税の上限額を計算|住民税の所得割額から出す手順
OTOKURU MONEY GUIDE ¥上限を自分で計算

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本記事の信頼性とお約束

ネットのシミュレーターに年収を入れたら上限が出た。でも、その数字を信じて寄附していいのか分からない。
ふるさと納税で自己負担が2,000円で収まる上限は、住民税の所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円で出せます。総務省が示している控除の計算式を、上限の側から並べ直した形です。必要な数字は2つだけで、手元の住民税の決定通知書にある「所得割額」と、源泉徴収票から分かる所得税の税率です。
たとえば所得割額が20万円で所得税率が10%なら、上限の目安は約52,131円。年収だけで引くシミュレーターより、自分の控除が反映された数字から計算できるのが利点です。
目次(クリックで該当セクションへ)
控除は3つに分かれて入る
ふるさと納税の寄附額から2,000円を引いた分は、3か所に分かれて税金から差し引かれます。総務省のポータルサイトは、所得税からの控除と、住民税からの控除の「基本分」「特例分」の3つを、それぞれ計算式で示しています。
| 控除の種類 | 計算式(総務省) | 対象になる寄附の上限 |
|---|---|---|
| (1) 所得税 | (寄附額−2,000円)×所得税の税率 | 総所得金額等の40% |
| (2) 住民税・基本分 | (寄附額−2,000円)×10% | 総所得金額等の30% |
| (3) 住民税・特例分 | (寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率) | 住民税所得割額の2割まで |
3つを足すと、税率がいくつでも「寄附額−2,000円」の全額になるように作られています。たとえば所得税率10%なら、10%+10%+80%で100%です。ここで言う所得税の税率には、2026年中の寄附であれば復興特別所得税の分が加わります。総務省は「令和19年中の寄附までは」復興特別所得税の税率を加えた率になると注記しています。
上限を決めているのは住民税の「特例分」
3つのうち、天井があって先に詰まりやすいのは(3)の特例分です。特例分は住民税所得割額の2割までしか入りません。2割を超えた分は(3)’の式に切り替わり、控除は「所得割額×20%」で頭打ちになります。
そこで、特例分がちょうど2割になる寄附額を逆算します。(寄附額−2,000円)×(90%−所得税率×1.021)=所得割額×20%、という等式を寄附額について解くと、上限の式になります。
上限の目安 = 所得割額×20% ÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円
1.021は、所得税率に復興特別所得税の2.1%を上乗せするための数字です。所得税率10%なら10.21%、20%なら20.42%として引きます。2,000円を最後に足すのは、自己負担の2,000円は控除の外にあるからです。

必要な数字は通知書と源泉徴収票のどこにある?
使う数字は2つです。会社員なら、どちらも年に1回、勤務先から受け取る書類に載っています。
- 住民税の所得割額:住民税の決定通知書(特別徴収税額の決定通知書)の「所得割額」欄。市町村民税と道府県民税(都民税)に分かれて書かれているので、2つを足した額を使います。均等割額は入れません。
- 所得税の税率:源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引いた金額が、課税される所得金額の目安です。国税庁の速算表に当てはめて税率を決めます。
| 課税される所得金額 | 所得税の税率 | 式に入れる率(×1.021) |
|---|---|---|
| 1,000円〜1,949,000円 | 5% | 5.105% |
| 1,950,000円〜3,299,000円 | 10% | 10.21% |
| 3,300,000円〜6,949,000円 | 20% | 20.42% |
| 6,950,000円〜8,999,000円 | 23% | 23.483% |
| 9,000,000円〜17,999,000円 | 33% | 33.693% |
総務省は、特例分の計算に使う所得税の税率は、住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額を引いた金額で決めるもので、所得税の計算で使う税率と異なる場合があると書いています。境目(195万円・330万円・695万円)の近くにいる人は、1段低い税率でも計算しておくと安全です。
所得割額と税率別の上限早見表
上の式に数字を入れた早見表です。所得割額は仮の数字で、1円未満は切り捨てています。
| 住民税の所得割額 | 所得税率5% | 所得税率10% | 所得税率20% |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 25,558円 | 27,065円 | 30,743円 |
| 20万円 | 49,117円 | 52,131円 | 59,487円 |
| 30万円 | 72,675円 | 77,197円 | 88,231円 |
| 40万円 | 96,234円 | 102,263円 | 116,975円 |
所得割額が同じなら、所得税率が高い人ほど上限は上がります。特例分の率(90%−所得税率)が小さくなるぶん、2割の天井に届くまでに寄附できる額が増えるからです。所得割額20万円で比べると、税率5%と20%の差は10,370円ありました。

計算した上限から下げておくべき3つの場面
式で出した数字は、あくまで手元の所得割額をもとにした目安です。次の3つに当てはまる人は、上限を少し低めに見ておくと安心です。
1つ目。今年の収入が去年より下がりそうなとき。転職や育児休業、残業の減少で今年の所得が下がると、来年度の所得割額も小さくなります。控除の天井そのものが下がるので、去年の通知書の数字で寄附すると上限を超えることがあります。
2つ目。今年から増える所得控除があるとき。医療費控除や扶養する家族の増加で所得控除が増えると、課税される所得が減って所得割額も小さくなります。医療費控除の分かれ目はセルフメディケーション税制と医療費控除の記事で整理しています。
3つ目。確定申告が必要な副業収入があるとき。所得が増える方向なので上限は上がりますが、ワンストップ特例は使えません。総務省によると、ワンストップ特例は確定申告の不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の場合に限られます。副業の申告ラインは副業の確定申告ガイドにまとめました。

なお、寄附した年の控除をどの税金から受けるかは、手続によって変わるので注意。確定申告をすると所得税分はその年の所得税から還付され、住民税分は翌年度の住民税から減額されます。ワンストップ特例を使うと所得税からの控除は行われず、その分も含めた全額が翌年度の住民税から控除される仕組みです。合計額は同じでも、表れる場所が違うということです。
よくある質問(FAQ)
住民税の所得割額はどこに書いてありますか?
所得割額20万円、所得税率10%なら上限はいくらですか?
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
正確な控除額はどこで確かめられますか?
- 控除は所得税・住民税基本分・住民税特例分の3つに分かれて入る
- 上限を決めるのは特例分の天井「住民税所得割額の2割」
- 上限の目安=所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円
- 所得割額は決定通知書の市町村民税+道府県民税。税率は国税庁の速算表で決める
- 所得割額20万円・税率10%なら約52,131円
- 今年の収入減・所得控除の増加がある人は、上限を低めに見ておく
