最低賃金が上がると年収の壁まで何時間|都道府県別の計算表

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最低賃金が上がると年収の壁まで何時間|都道府県別の計算表

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本記事の信頼性とお約束
最低賃金額と発効日は、厚生労働省が2026年9月に公表した「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」のPDFを、控除額は国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」を2026年9月29日に確認した内容です。発効日は予定で、異議の申出の状況などにより変わる可能性があると注記されています。時間数は時給だけで割った計算で、残業代や交通費、社会保険の扶養の基準は含めていません。誤りを見つけた場合はご一報ください。確認のうえ、原則48時間以内に修正します。

給与明細書のイラスト

同じシフトで働いているのに、年末になって「今年は123万円を超えそう」と気づく。

2026年度の最低賃金は全国加重平均で1,177円になり、前年度の1,121円から56円上がります。時給が上がると、同じ時間でも年収の線に早く届きます。東京の新しい最低賃金1,280円で働くと、給与収入123万円に届くのは年960.9時間。月にならすと約80時間で、改定前の1,226円より年42時間ほど早く届きます。

ただし、いつから新しい時給になるかは都道府県ごとに違います。東京や大阪は10月1日、熊本と岩手は12月1日、沖縄は12月2日の予定です。2026年の年収に効くのは、発効日から12月末までの分だけです。

目次(クリックで該当セクションへ)
  1. 最低賃金はいくら上がった?
  2. 123万円と160万円は何の線?
  3. 時給別に、壁まで何時間
  4. 2026年の年収には、いつの分から効く?
  5. 来年のシフトは何時間で組むか
  6. よくある質問(FAQ)
  7. 忙しい人向け 記事のまとめ

最低賃金はいくら上がった?

47都道府県すべてで54円から65円の引き上げです。全国加重平均は1,121円から1,177円へ、上がり幅は56円でした。いちばん高いのは東京の1,280円、次が神奈川の1,279円。いちばん低いのは宮崎の1,085円で、高知と沖縄が1,086円で続きます。

都道府県改定後改定前発効日(予定)
東京1,280円1,226円2026年10月1日
神奈川1,279円1,225円2026年10月1日
大阪1,231円1,177円2026年10月1日
愛知1,195円1,140円2026年10月1日
京都1,180円1,122円2026年11月16日
福岡1,114円1,057円2026年10月4日
熊本1,092円1,034円2026年12月1日
沖縄1,086円1,023円2026年12月2日
宮崎1,085円1,023円2026年10月24日

引き上げ額がいちばん大きいのは佐賀の65円(1,030円→1,095円)。東京・神奈川・大阪は54円で、額は小さい側です。地方ほど上がり幅が大きく、差は少し縮みました。

出典 発効日は、答申公示後の異議の申出の状況等により変更となる可能性有 出典:厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html)
博士、時給が上がるならうれしいだけじゃないんですか?
手取りが増えるのはうれしいことじゃ。ただシフトを同じ時間で組んだままだと、年末に線を越える人が出てくる。去年の感覚で「月80時間なら大丈夫」と決めていた人ほど、計算し直す価値がある。

123万円と160万円は何の線?

この記事で使うのは、所得税の2本の線です。どちらも国税庁が示している控除額から計算できます。

1本目は160万円。本人に所得税がかからない線です。2025年分から、合計所得金額132万円以下の人の基礎控除は95万円になり、給与所得控除の最低保障額は55万円から65万円に上がりました。給与だけの収入なら、95万円+65万円=160万円までは所得税がかかりません。

2本目は123万円。親や配偶者の扶養控除などの対象でいられる線です。扶養親族の合計所得金額の要件は48万円以下から58万円以下に変わりました。給与だけなら、58万円+65万円=123万円までが対象になります。学生のアルバイトなら、親の税金に関わるのはこちらの線です。19歳以上23歳未満の子は、123万円を超えても親の側で「特定親族特別控除」(最高63万円)が使える形に変わったので、超えた瞬間に控除がゼロになるわけではありません。

正面から見た電卓のイラスト

社会保険の扶養(健康保険の被扶養者)の基準は、税金とは別に決まっています。加入している健康保険の案内で確かめてください。この記事の計算には入れていません。控除の内訳は103万円の壁が160万円に|基礎控除95万+給与控除65万の内訳で詳しく書いています。

出典 給与所得控除について、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられました。 出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」(https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm)

時給別に、壁まで何時間

線の金額を時給で割ると、1年間で働ける時間が出ます。月・週の目安は、年間の時間を12か月と52週で割った数字です。

時給123万円まで160万円まで
1,280円(東京)年960.9時間(月80.1・週18.5)年1,250時間(月104.2・週24.0)
1,231円(大阪)年999.2時間(月83.3・週19.2)年1,299.8時間(月108.3・週25.0)
1,177円(全国加重平均)年1,045.0時間(月87.1・週20.1)年1,359.4時間(月113.3・週26.1)
1,085円(宮崎)年1,133.6時間(月94.5・週21.8)年1,474.7時間(月122.9・週28.4)

東京で改定前の1,226円なら、123万円まで年1,003.3時間ありました。改定後は960.9時間なので、差は42.3時間。週1回4時間のシフトなら、10回分と少しです。宮崎では1,023円から1,085円に上がり、差は68.7時間になります。上がり幅が大きい地域ほど、同じ線に早く届きます。

デジタル時計のイラスト

この表は、最低賃金ちょうどで働いた場合の計算です。実際の時給が最低賃金より高い人は、自分の時給で割り直してください。123万円÷時給、160万円÷時給。電卓で2回押せば出ます。

2026年の年収には、いつの分から効く?

新しい時給が使われるのは、発効日以降に働いた分からです。東京で毎月80時間働く人を例にすると、1〜9月は1,226円、10〜12月は1,280円で計算します。

働き方(東京・月80時間)年間の給与収入123万円との差
2026年(10月から1,280円)1,189,920円40,080円下
2027年(1年中1,280円)1,228,800円1,200円下
2027年(月81時間)1,244,160円14,160円上

2026年は余裕があっても、2027年は月80時間でほぼ線の上に乗ります。月に1時間増えるだけで越える計算です。今年の源泉徴収票を見て「去年と同じで大丈夫」と判断すると、ずれが出るのは来年のほうです。

何も書かれていないカレンダーのイラスト

発効日が12月の県では、2026年の年収への影響はほとんどありません。熊本の12月1日、沖縄の12月2日なら、新しい時給で働くのは12月分だけ。給与の締め日と支払日によっては、12月分の給与が1月払いになり、翌年の収入に入る場合もあります。

年収って、働いた月じゃなくて、お給料をもらった月で数えるんですか?
給与所得は支給日が属する年で数えるのが基本じゃ。12月に働いた分を1月に受け取るなら、その分は翌年の収入になる。自分の締め日と支払日は、給与明細か雇用契約書で確かめておくとよい。

来年のシフトは何時間で組むか

決め方は、線の金額から逆算するのがいちばん早いです。123万円を超えたくないなら、東京の1,280円で月80時間が上限の目安。160万円までなら月104時間までです。

気をつけたいのは、時給以外の収入です。残業代や休日手当、年末の寸志も給与収入に入ります。通勤手当は一定額まで非課税なので、源泉徴収票の「支払金額」に入っていない場合があります。月の目安をぎりぎりに置かず、年間で数万円の余白を残しておく組み方をおすすめします。

もう1つ、線を越えないことだけが正解ではありません。123万円を少し超えても、親の扶養控除が外れるのは税金の話で、本人の手取りは増えます。家族の税金がいくら変わるかは、世帯の所得で違います。どちらを取るかは、家族で数字を並べてから決めるほうが後悔が少なくなります。

よくある質問(FAQ)

2026年度の最低賃金はいくらですか?
全国加重平均は1,177円で、前年度の1,121円から56円上がります。最高は東京の1,280円、最低は宮崎の1,085円です。発効日は都道府県ごとに2026年10月1日から12月2日の間で予定されています。根拠:厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 答申状況」。
時給1,280円だと、123万円まで何時間働けますか?
123万円÷1,280円で、年960.9時間です。月にならすと約80時間、週にならすと約18.5時間になります。残業代や手当も給与収入に入るので、実際にはもう少し余白を残してください。
123万円と160万円は、どちらを気にすればいいですか?
親や配偶者の扶養控除の対象でいたいなら123万円、本人の所得税をゼロにしたいなら160万円です。給与だけの収入で、扶養親族の合計所得金額の要件58万円と給与所得控除65万円、基礎控除95万円から計算しています。根拠:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」。
発効日の前に働いた分も、新しい時給になりますか?
なりません。新しい最低賃金が使われるのは、発効日以降に働いた分からです。東京なら2026年10月1日以降の勤務が1,280円の対象です。
社会保険の扶養も123万円が基準ですか?
違います。健康保険の被扶養者の基準は税金とは別に決まっています。加入している健康保険の案内で確かめてください。この記事の計算は所得税の線だけです。
SUMMARY 忙しい人向け 記事のまとめ
  • 2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円(+56円)。最高は東京1,280円、最低は宮崎1,085円
  • 発効日は都道府県ごとに10月1日から12月2日まで。新しい時給は発効日以降の勤務から
  • 所得税の線は、扶養控除の対象でいる123万円と、本人に所得税がかからない160万円
  • 東京1,280円なら123万円まで年960.9時間(月約80時間)。改定前より年42時間早く届く
  • 月80時間の人は、2026年は約4万円の余白があっても、2027年は1,200円まで縮む
  • 残業代・手当も給与収入に入る。月の目安は年間で数万円の余白を残して組む
今年は大丈夫でも、来年の同じ時間が危ないっていうのが意外でした。
時給が上がった年は、シフトの時間を線から逆算し直す年じゃ。123万円÷時給。この割り算を、1月のシフトを出す前に一度やっておくとよい。

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この記事の書き手

博士

博士(フクロウ博士) 著者

古風な口調で、初心者がつまずきやすい仕組みを噛み砕いて解説する。担当領域:FX・株式・税金・社会保険・ポイ活税務。

クルミ

クルミ 聞き手

オトクル編集部の20代ライター。投資・ポイ活未経験から、記事執筆を通じて知識を積み上げてきた読者代表。読者と同じ目線でつまずきポイントを言語化することを得意とする。担当領域:副業・ポイ活・クレカ・暮らしのお金。