大学生の子のバイト代|税は159万円、健康保険は150万円で線が違う
OTOKURU MONEY GUIDE ¥バイト代の2つの線

この記事に広告リンクはありません
本記事の信頼性とお約束

子どもに「今年のバイト代は150万円まで大丈夫?」と聞かれて、答えに詰まった。
19歳以上23歳未満の子のバイト代には、親にとって2本の線があります。1本目は所得税の線で、2026年分は子の給与が約159万円までなら親の控除は63万円のまま減りません。2本目は健康保険の扶養の線で、2025年10月から年間収入150万円未満になりました。
2本の線は9万円ずれています。子の年収が150万円から159万円の間だと、親の所得税の控除は満額残る一方で、子は親の健康保険の扶養から外れます。税だけ見て「159万円まで平気」と決めると、健康保険の側でつまずきます。
目次(クリックで該当セクションへ)
所得税の線はどこにある?
2026年分の所得税では、子の給与が約136万円までなら特定扶養控除の63万円、136万円を超えても約159万円までなら特定親族特別控除の63万円が親に付きます。名前は変わりますが、控除の額は同じです。
国税庁のタックスアンサーNo.1177によると、特定親族特別控除は、19歳以上23歳未満で、扶養控除の対象から外れる親族(合計所得金額が62万円を超える人)がいる場合の控除です。合計所得金額123万円以下、給与だけなら給与収入197万円以下(令和7年分は188万円以下)の人が対象になります。
2026年分の控除額の表は、2026年12月1日に施行される規定です。会社員の親なら、12月の年末調整で反映されるかどうかを勤務先の案内で確かめておきます。
159万円を超えると控除はどう減る?
子の合計所得金額が85万円(給与で約159万円)を超えると、控除の額が段階的に減ります。No.1177の令和8年分以後の表に、給与の目安を足しました。
| 子の合計所得金額 | 給与だけの目安 | 親の控除額(所得税) |
|---|---|---|
| 62万円以下 | 約136万円以下 | 63万円(特定扶養控除) |
| 62万円超〜85万円以下 | 約136万〜159万円 | 63万円 |
| 85万円超〜90万円以下 | 約159万〜164万円 | 61万円 |
| 90万円超〜95万円以下 | 約164万〜169万円 | 51万円 |
| 95万円超〜100万円以下 | 約169万〜174万円 | 41万円 |
| 100万円超〜105万円以下 | 約174万〜179万円 | 31万円 |
| 105万円超〜110万円以下 | 約179万〜184万円 | 21万円 |
| 110万円超〜115万円以下 | 約184万〜189万円 | 11万円 |
| 115万円超〜120万円以下 | 約189万〜194万円 | 6万円 |
| 120万円超〜123万円以下 | 約194万〜197万円 | 3万円 |
親の所得税率が20%なら、63万円の控除で減る所得税は、復興特別所得税を含めて63万円×20.42%の約128,646円です。子の給与が170万円になって控除が41万円に下がると、減る税額は約83,722円になり、差は約44,924円。昔の103万円の壁のように「1円超えたら控除ゼロ」ではなく、5万円刻みで少しずつ減ります。

健康保険の扶養は150万円未満で、何が違う?
健康保険の扶養は、税とは別の制度です。日本年金機構の案内によると、扶養に入る日が2025年10月1日以降で、19歳以上23歳未満(親の配偶者を除く)の人は、年間収入の要件が130万円未満から150万円未満に変わりました。年齢は、扶養に入る日が属する年の12月31日時点で判定します。
数え方も税と違う点に注意が要ります。税は1月から12月に実際に受け取った給与で決まり、健康保険の「年間収入」は、これから先の1年の見込みで判定します。2026年4月からは、厚生労働省の通知で、労働契約に書かれた賃金から見込む方法が示されました。この賃金は労働基準法上の賃金で、諸手当や賞与も含みます。所得税では非課税の通勤手当が、健康保険の判定では数えられることがある点は、加入している健康保険に確かめておきます。
| 項目 | 所得税(親の控除) | 健康保険(親の扶養) |
|---|---|---|
| 線 | 給与約159万円まで満額(約197万円で0) | 年間収入150万円未満 |
| 期間 | 1月〜12月の実績 | これから先の見込み |
| 数える収入 | 課税される給与(非課税の通勤手当は除く) | 労働契約の賃金(諸手当・賞与を含む) |
| 超えたとき | 控除が段階的に減る | 扶養から外れ、自分で保険に入る |
2本の線を並べると、すき間はどこ?
子の給与を軸に、親の側で起きることを1本の表にまとめました。給与だけで、通勤手当などを除いた額と健康保険の見込み年収が同じだと置いた目安です。
| 子の年収(給与) | 親の所得税の控除 | 親の健康保険の扶養 |
|---|---|---|
| 〜136万円 | 63万円 | 入れる |
| 136万〜150万円未満 | 63万円 | 入れる |
| 150万〜159万円 | 63万円 | 外れる |
| 159万〜197万円 | 61万〜3万円に段階的に減る | 外れる |
| 197万円超 | 0円 | 外れる |
すき間は150万円から159万円の9万円です。この帯では、所得税の控除が満額のまま残るので、税の計算だけをしていると何も変わらないように見えます。実際には健康保険の扶養が外れ、子が自分で保険料を払う形に変わります。年収を150万円から159万円に増やしても、手元に残る額が増えるとは限りません。

年内のシフトを決める前に確かめる3つ
1つ目。1月から今までの給与明細を合計する。税の線は1年の実績で決まるので、12月までに何円入るかを数えます。年末年始の繁忙期のシフトは、12月に払われるか1月に払われるかで、どちらの年に入るかが変わります。
2つ目。健康保険の見込み年収を、労働契約の時給と時間から計算する。時給1,200円で週25時間なら、1,200円×25時間×52週で約156万円。税の線には収まっても、健康保険の150万円を超えます。
3つ目。親の勤務先の健康保険に、子の年収の数え方を聞く。通勤手当を含めるか、賞与の扱いをどうするかは、加入している協会けんぽや健康保険組合の確認が最終です。

親自身の年収の壁の内訳は103万円の壁が160万円になった内訳に、時給と働く時間から壁までの時間を出す方法は最低賃金と年収の壁の計算表に書いています。
よくある質問(FAQ)
大学生の子のバイト代が150万円を超えたら、親の税金は増えますか?
健康保険の150万円は、1月から12月の収入で数えますか?
子が20歳になる年はどちらの線で見ますか?
- 2026年分の所得税は、子の給与約159万円まで親の控除63万円が残る
- 159万円を超えると5万円刻みで減り、約197万円で0円
- 健康保険の扶養は、2025年10月から年間収入150万円未満
- 税は1〜12月の実績、健康保険はこれから先の見込みで数える
- 150万〜159万円は、税は満額・健康保険は外れるすき間
- シフトを決める前に、実績・見込み・健康保険の数え方の3つを確かめる
